バットガールNEWS

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ロシアのヒーロー「パニッシャー」!? 事故100回、無礼な車に教育的指導を入れるバス運転手

運転していて、マナーのない車に割り込まれるのは確かに腹が立つものですが、目には目をどころではなく、そうした車にわざと衝突していって「罰を与える」バス運転手が話題になっています。ニックネームは、マーベル・コミックのヒーローにかけて「パニッシャー」(直訳:罰を下す者)だとか。

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[「パニッシャー」のバスに思い切り衝突されたバン。Image: YouTube(SpicyRussia)]

 
彼の本当の名前は、アレクセイ・ヴォルコフ(Alexei Volkov)。ロシアの首都・モスクワの北西郊外にある町ゼレノグラード(Зеленоград)でバスの運転手をしています。自己申告によると、これまでの事故数は100回以上(!)という強者です。

 

公共交通機関に対して道を譲らない、割り込みする、ひどい時にはわざと事故を起こして保険詐欺をはたらく...など、マナーの悪いドライバーに閉口していたというヴォルコフさんは、車載カメラを購入。それ以来、罰を与えた際のビデオを自らのYouTubeチャンネルに投稿することにしたそうです。下のビデオは、その中で一番最近の事故を集めコンピレーションにしたものです。

欧米メディアの間では、「パニッシャー」というあだ名がついたヴォルコフさん。<RedHotRussia>の報道によると、「アレクセイは、実に妥協しない運転スタイルを確立しており、車が彼のレーンに割り込もうものなら、直ちに犯人に罰を下す。その運転スタイルから、“教師の中の教師”というニックネームがついた」とあります。

 

[ 訳注:ロシアのスラングでは、法的には疑わしいさまざまな方法で優先権を主張するドライバーのことを(否定的な意味合いで)「教師」と呼ぶそうです。例えば、「教師」が前でノロノロ運転をしている車にイライラした場合、その車を追い越し、唐突にブレーキを踏むなど。 ]

 

ヴォルコフさんのビデオはロシアのネットユーザーの間では今や広く知られており、現在一部の欧米メディアでは「ロシア大衆のヒーローになっている」「地元ではセレブ」と報じられていますが、ロシアでの意見は分かれているようです。

 

22日に地元メディア、ゼレノグラード情報ポータル(Инфопорталa Зеленоград)のインタビューに応え、ヴォルコフさんはこう話しました。

- ビデオにある記録によって、全て無罪だったんですか?

「全てのケースで無罪と判断されました。以前は議論しようとする交通警官もいましたが、法廷では常に私の主張を認めてもらえました。今では、全てスムーズです-- 客観的に判定を下してもらえます。」

- 事故が多いことで、(交通局の)マネージメント側と問題はないんですか?

「私の過失だと認められない限り、マネージメントは心配しません。バスが受けるダメージはたいてい小さなものですし。もし損害が大きければ、保険の支払いを待って修理するだけです。例えば先日は、3トンのトラックにぶつけたのでバンパーがかなり変形しました。」

- 同僚の運転手や、交通警官はあなたの方針についてどう考えているんでしょうか。

 「方針とかいう話ではありません。例えば一番最近の事故を見てください。私に何ができたでしょうか?よけて左の対向車線に飛び込むか、急ブレーキを踏んで乗客をケガさせるべきでしたか?どちらにしろ免停になり、私にとって深刻な問題になります。そして(割り込んで来た)ろくでなしは単にその場を去ることになる。そんな結末に興味はないんです。警官は単に笑ってますよ。同僚は -- どう思ってるか、聞いたことないですね。」

- 今まで、事故は何回になりますか?全部YouTubeに投稿しているんですか。

「全部数えると、100回以上になります。もちろん、全ては投稿していません。明らかなサギや、派手な衝突だけチャンネルにアップロードしています。それに、車載カメラを付けたのは2007年からだけですから。」

- 詐欺師相手の事故の後始末などで目的地に着けず、乗客から苦情が出たことは?

「それはおかしな質問でしょう。乗客は(するかもしれなかった)ケガをせずに済んだわけですから、何の文句を言うんですか?それはナンセンスだ。」

- それでは、あなたのバスに乗った乗客が、事故でケガをしたことはないんですか。

「はい、乗客がケガしたことは1度もありません。」

- バス運転手の観点から、ゼレノグラードのドライバー全般をどう評価しますか?バス停からバスが発車する時、彼らはバスに譲りますか。

「何と言えばいいのか... たいてい無作法に振る舞いますね。ウィンカーを出して1〜2分待っているバスをよく見ますが、それでも“あほ”どもが割り込んできます。それでも、徐々に改善してきてはいます。私の教育的な仕事のせいもあるでしょう。」

 

こんな「教育的指導」に、ロシアのネチズンのコメントは...?

Insolente: 最初から彼のビデオをフォローしてるけど)) 尊敬してる

SOKAR: 詐欺師に当てるのは必要だし、正しいことだと思う

K-1: 1人の運転手がこんなに多くの詐欺師ばかりに出会うって、あやしくなってくる!

Green acid: この男、単に(他の)ドライバーを挑発して、短気で引っかかる相手がいた時に、ビデオに出てくるように「教えて」るんじゃないかな。(バスに対して反感を持ってるバカもいるだろうから)そういう奴らを横柄な態度で怒らせるのが趣味で、その後も恨んでる輩がぶつけてきたりするのをビデオに撮ってるんじゃ?

Асфальтоукладочный каток: 事故100回って...モスクワの公共交通局は、このアホをなんでまだ雇用してるわけ?

SchAlk: この運転手が適正じゃないと思ってる人も多いようだ。でも全てはシンプルな話 -- もし路上のドライバーがみんなルールを守ってたら、問題は何もないわけで。

massadig: 彼のYoutubeチャンネル見てみろ。この男、 精神的にイカレてる。動いてるもの全てに当たっていってるから。誰かとっくにストップをかけてるべきだ。

 

単純にヒーローという意見ばかりではなく、「当てるのが好きで機会を誘っているのでは?」という疑いもあるようですが、みなさんはどう思われますか?

 

エクストリーム・バス運転手、ヴォルコフさんのYouTubeチャンネルはこちら

 

記事元:RedHotRussia, YouTube(SpicyRussia)Инфопорталa Зеленоград